MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.109
相続税における財産の所在(国内・国外の判定)

相続税では、原則として被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した個人(相続人)に対して国内・国外財産ともに課税の対象とされますが、相続人が制限納税義務者に該当する場合には、国内財産及び相続時精算課税適用財産にのみ課税され、国外財産には課税されません。
2.制限納税義務者
以下の①②のいずれかに該当する相続人になります。
①相続人が日本国籍を有する個人で、かつ被相続人及び相続人ともに相続開始時点で5年超日本に住所を有しない者
②相続人が日本国籍を有しない個人で、かつ被相続人及び相続人ともに相続開始時点で日本に住所を有しない者
3.財産の所在(相続税法10条)
相続する財産が、国内又は海外のいずれに所在するかについては、 以下のとおり当該する財産ごとに相続、遺贈又は贈与により取得した時の現況により判定することになります。
①動産、不動産等・・・その動産又は不動産等の所在。
②船舶、航空機・・・登録をした機関の所在。
③鉱業権、租鉱権、採石権・・・鉱区、採石場の所在。
④漁業権、入漁権・・・漁場に最も近い沿岸の属する市町村(又は行政区画)。
⑤金融機関に対する預金、貯金、積金、寄託金・・・受入れをした営業所(又はその所在)。
⑥保険金・・・保険会社等の本店(又は主たる事務所)の所在。
⑦退職手当金、功労金等・・・支払った者の住所(又は本店、主たる事務所の所在)。
⑧貸付金債権・・・その債務者の住所(又は本店、主たる事務所の所在)。
⑨社債、株式、出資等の有価証券・・・発行法人等の本店(又は主たる事務所)の所在。
⑩集団投資信託等・・・引受けをした営業所、事務所等の所在。
⑪特許権、実用新案権、意匠権等・・・その登録をした機関の所在。
⑫著作権、出版権等・・・発行する営業所(又は事業所)の所在。
⑬国債又は地方債・・・施行地。