MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.102
出向者に対する給与の較差(差額)補填

出向は、一般的には派遣、転出、社外勤務、長期出張、企業外配転などで呼称されることがありますが、名称のいかんに係らず、出向とは会社(出向元法人)が従業員をして他の会社又は団体(出向先法人)に一定期間勤務させ、その間従業員としての身分を保有したまま、出向先の指揮・命令に従い業務に従事することをいいます。
法人税法上は、役務の提供に対して応分の負担をするという考え方ですので、出向者が出向先法人で出向先法人の他の従業員と同様にその労務を提供している場合には、出向先法人は少なくとも自己の従業員の給与水準と同等の給与の額を負担する必要があります。
また、出向者が出向元法人から出向する際の条件として出向前の給与を保証されており、その出向元法人が保証した給与の水準が、出向先法人の他の従業員の給与より高額となる場合には、その差額は出向元法人又は出向先法人のどちらが負担しても構わないとされています。
2. 出向者に対する給与の較差(差額)補填(法人税基本通達9-2-47)
出向元法人が出向先法人との給与条件の較差(差額)を補填するため出向者に対して支給した給与の額は、当該出向元法人の損金の額に算入することができます。
出向元法人が出向者に対して支給する以下の金額は、いずれも給与条件の較差(差額)を補填するために支給したものになります。
(1)出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
(2)出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額