MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.89
棚卸資産の取得価額に算入しないことができる費用

原則として、棚卸資産の取得価額には、他から購入したものについては購入代価に引取運賃・荷役費・購入手数料等の消費・販売のために直接要した費用を加算した金額になり、自己の製造等に係るものについては製造等のために要した原材料費・労務費・経費に消費・販売のために直接要した費用を加算した金額になります。
しかし、購入対価や製造原価に比較して金額が僅少な一部の費用については、取得価額に算入しないことができます。
2. 購入した棚卸資産の場合(法人税基本通達5-1-1)
以下に掲げる費用については、その合計額が少額(棚卸資産の購入代価のおおむね3%以内)である場合には、その取得価額に算入しないことができます。
なお、以下の(3)以外で棚卸資産を保管するために要した費用(保険料を含む。)は、金額の多寡に係らず取得価額に算入しないことができます。
また、合計額が少額か否かについては、個々の取引ごとではなく、事業年度ごとに、かつ、種類等を同じくする棚卸資産ごとに判定することができます。
(1)買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
(2)販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
(3)特別の時期に販売するなどのため、長期にわたつて保管するために要した費用の額
3. 製造等に係る棚卸資産の場合(法人税基本通達5-1-3)
以下に掲げる費用については、その合計額が少額(棚卸資産の製造原価のおおむね3%以内)である場合には、その取得価額に算入しないことができます。
なお、以下の(3)以外で棚卸資産を保管するために要した費用(保険料を含む。)は、金額の多寡に係らず取得価額に算入しないことができます。
また、合計額が少額か否かについては、個々の取引ごとではなく、事業年度ごとに、かつ、種類等を同じくする棚卸資産ごとに判定することができます。
(1)製造等の後において要した検査、検定、整理、選別、手入れ等の費用の額
(2)製造場等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
(3)特別の時期に販売するなどのため、長期にわたつて保管するために要した費用の額