MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.81
従業員に対する未払賞与

会社が将来において従業員に支払うべき未払の賞与について、会計上で適正な支給見込額として計上された賞与引当金は、法人税法上は損金に算入することはできませんが、一定の要件を充当した賞与の未払金については、法人税法上損金に算入することができます。
2.法人税法において損金となる未払賞与
会社が従業員(使用人)に対して賞与を支給する場合で、以下の要件を充当する未払賞与は、その事業年度に支給されたものとして損金に算入されることになります(法人税法施行令72条の3)。
(1)労働協約等でその支給が予め規定されている未払賞与
労働協約又は就業規則で規定されている賞与で、事前に各従業員にその支給額の通知がされており、支給予定日又は通知をした日の事業年度において未払賞与の支給額を損金経理をしている場合には、支給予定日又は通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度に損金算入されます。
(2)上記以外の未払賞与
以下の要件の全てを充足する未払賞与は、従業員に支給額の通知をした日の属する事業年度において損金に算入されます。
①賞与を支給する全ての従業員に、各人別にその支給額を事前に通知をしていること。
②事前に通知をした全ての従業員対して事業年度終了日の翌日から一月以内に支給していること。
③支給額について未払計上した事業年度において損金経理をしていること。