MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.22
パソコン会計ソフトの上手な選び方

また、雑誌の比較検討記事を探しても、入力方法など担当者レベルでの話に終始してしまい、業務の特性・効率性・投資効果・拡張性などの経営者レベルの観点からの比較検討したものは少ないのが現状です。
そこで、そんな悩みを解決するために、会計ソフトを選択する上で重要なポイントをいくつか挙げてみましたので、参考にしてください。
なお、具体的な内容については、なんなりとご質問ください。
スリーサイズを測る。
会社の規模・業種・範囲によって必要とされる最適な会計業務システムは異なってきます。まずは、自分の会社のスリーサイズを測り、「己を知る」必要があります。
1.規模 … 処理体制(支店・営業所)、部門階層、手形の有無、伝票の有無人材(パソコン・簿記知識)など
2.業種 … 製造業、小売業、建設業など
3.範囲 … 経理処理、請求業務、給与計算、在庫管理、債権管理など
財布の中身を考える。(価格と機能)
機能が充実しているソフトは当然高価になります。かといって、必要以上の機能をもったソフトの購入は無駄な投資になってしまいます。パソコン会計ソフトの価格帯は2万円程度から数百万円まで広範囲に亘っています。
利用期間は3~5年程度(短期・更新)と考えて、現状必要十分な機能を備えた価格の安いソフトを選択するのが賢明です。
なにが欲しいのかを決める。(会計情報の決定)
どの会計ソフトも貸借対照表・損益計算書などは必ず作成できます。
税務申告など単なる保存資料としてのみ利用であればどのソフトも大差はありませんが、一歩進んだ会計システムを構築するために、部門別管理・予算管理・キャッシュフロー計算書・各種分析資料の作成などを行うのであれば、経営者として入手したい情報を明確にする必要があります。
他人の真似をする。
皆(多数)が使っているソフト=有名なソフトは、機能・使い勝手・サポート体制など優れたソフトであり、今後の開発費・人材も潤沢であるなどから、今後も「より優れたソフト」になる可能性が高いと考えられます。将来のバージョンアップを考えるならば、「一人よがり」はしないで、素直に他人の真似をするのも得策です。
お互いを理解する。
業務を無駄なく効率的に運用するには、記帳代行や申告業務を委託している相手(税理士事務所など)との連携プレーは必須です。
会計ソフトの利用に関する指導、データ連携など、相互に適切な対応ができるソフトを、充分に話し合い理解した上で選択することが重要です。
後悔しない。
最近のソフトは機能充実・使い勝手の向上が目まぐるしいのですが、結局のところ、パソコン会計ソフトは、汎用=「できあい」=「変更・修正ができない」=「だから安い」ため、実際使用してみると会社特有の処理環境があったりして、どのソフトにも弱点(不便)があります。逆に、弱点(不便)のないソフトは現状ありません。
だからこそ購入する前にじっくり検討することが重要なのですが、じっくり検討して選んだ以上、少々の弱点(不便)は我慢して使うことが実は最も重要なのです。
会計ソフトの進歩は驚くほど早いので、いずれこの弱点(不便)は解消されるはずです。