MIMURA ACCOUNTING NEWS Vol.13
経営分析のすすめ(1)
なぜ、経営分析が必要なのか?同業他社や過去の実績との比較をしながら、企業の現時点での業績・財務状況を的確に把握する上で、その拠り所となる「道具」、「指標(ものさし)」を用意しておくことは、多種多様な会計情報を網羅的にかつ総合的に理解するための重要な「武器」となります。
最近、多くの上場企業が「企業経営の目標値」として取り上げている「ROA(総資本経常利益率)」「ROE(株主資本経常利益率)」「EVA(経済的付加価値)」などの指標も、この経営分析の範疇に包含されます。
企業の経営状況の正しい理解と、今後の経営戦略の策定のためにも、経営分析は企業経営において有効な手段として必要不可欠なものであるということがいえるのです。

簡単にいうと「企業の内容を理解するための道具(手法)」といえます。
財務諸表(貸借対照表・損益計算書等)などの資料をベースに、「財務体質は健全か?」「収益構造は万全か?」といった点について様々な側面から、企業の「強み(長所)」「弱み(短所)」を浮き彫りにして、企業の「特徴」を正しく掴む「道具」なのです。
そして、今後「長所をより伸長させ、短所を補強するためにはどうすればよいか?」ということについて、数値(経営指標)によって明確な回答を提示してくれるのです。
経営指標とは
経営分析は、主に財務諸表をベースにした様々な経営指標(数値)により実施されます。
この経営指標は、主に財務諸表を利用するため、貸借対照表・損益計算書、そしてキャッシュフロー計算書(資金繰り表)の金額(数値)を基に計算されます。

計算された経営指標は、過去の実績及び同業他社との比較によって始めて「自分の位置」を知ることができます。
この「自分の位置」こそが、「自分の特徴=長所・短所」といえるのです。
そして、「自分の位置」をより「目標とする位置」に近づける方法を模索することが、経営戦略に密接に関連しているのです。